十一冊目
- 作者: 斎藤環
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 1998/11/01
- メディア: 新書
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★★★☆☆
三十歳近くなっても、仕事に就かず、外出もせず、時に何年も自分の部屋に閉じこもったまま過ごす青年たち。今、このような「ひきこもり」状態の青少年が増えている。「周りが甘やかさず、厳しく接するべき」といったお説教や正論では、深い葛藤を抱えた彼らの問題を、けっして解決することはできない。本書では「ひきこもり」を単なる「個人の病理」でなく、家族・社会から成る「システムの病理」として捉える視点から、その正しい理解と対処の方法を解説する。 (「BOOK」データベースより)
なるほど。
人間は自分が万能ではないことを知ることによって、はじめて他人と関わる必要が生まれてきます。 さまざまな能力に恵まれたエリートと呼ばれる人たちが、しばしば社会性に欠けていることが多いことも、この「去勢」の重要性を、逆説的に示しています。 つまり人間は、象徴的な意味で「去勢」されなければ、社会のシステムに参加することができないのです。 これは民族性や文化に左右されない、人間社会に共通の掟といってよいでしょう。
成長や成熟は、断念と喪失の積み重ねにほかなりません。 成長の痛みは去勢の痛みですが、難しいのは、去勢がまさに、他人から強制されなければならないということです。 みずから望んで去勢されることは、できないのです。
(本文より引用)
個人的な考えとしては『競争→バーンアウト・無気力→うつ病・社会的ひきこもり→リストカット・家庭内暴力→自殺・殺人』
世の中が万能でないことはよくわかっていますが
このサイクルをどこかでとめないといつまでも問題は消えない。